何も無いところから生み出す力が発想力だとすれば、若い人になればなるほどその能力は低下してきているのではないだろうか?

発想力は、「ひらめき」・「思いつき」・「アイデア」などの能力と言い換えることもできるが、ビジネスにとって非常に重要な能力である。

何か新しいビジネスを生み出したり、難題を解決する場合には奇想天外な発想は欠くことができない。誰でもが思いつくようなことではなく、凡人には想像もつかない奇抜な考えが時に必要なのである。

しかし、そうした能力はある日突然身につくものではない。

私は、発想力は子供のころからの脳の使い方によると考えている。

何が重要かといえば子供の遊びである。
遊びの中で知らず知らずのうちに発想力は鍛えられるのである。

昔の子供たちと今の子供たちの決定的な違いは、遊びを考え出さなくてはならないか、与えられたものを使って決められたルールで遊べばいいかではないだろうか。

昔の子供たちは、その辺に転がっているものを使って何かを作ったり、それらを利用して自分たちでルールを決めて遊ぶしかなかったし、それが当然で何の疑問も感じなかった。つまり、遊ぶためには何をどうすれは楽しいかを考えなければならなかったのである。
それに対して、現代の子供たちは氾濫する遊びの中から何かを選択し、その決められた方法で遊べばいいし、飽きたら別の遊びをすればいいわけである。

つまり、昔の子供の遊びには、ビジネスに直結する発想力と問題に突き当たったときに何とかする考えの原点があるのである。

現代の子供たちに昔の遊びを強制することはできないが、そうした遊びの要素は取り入れてほしいものである。

そして、さらに重要なことは、一生懸命考えることである。
子供の時であれば、どうすれば楽しめるかを一生懸命考えること。
ビジネスであれば成功するための企画を必至に考えるのである。

アイディアは、一生懸命考えることで思いつくのであり、何も考えないのに湧き水のように溢れ出てくるような天才は、やたらにいるものではないのである。

常に考えていると、ふとした瞬間に昨日までいくら考えても解決できなかった問題の解決方法がひらめいたりするようになる。
そうなると、常に考えていることは苦になるどころか、楽しみになるのである。

「途中であきらめずに一生懸命考えること」それが発想力を鍛える基本なのである。